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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

以上は経済上の統制についてであるが、次に政治上の統制になると、事情は多少異って来る。というのは一つには政治プロパーについては、統制という言葉は現在用いられていないし、二つには政治的統制と見做されそうな議会政治掣肘主義に限って、経済の場合でとは異って、それほど無条件に良いものとは通念されていないからだ。

つまり議会政治については、自由主義者は、経済面においてよりも、容易に自分に有利な大義名分を見出し得るのである。議会政治も一つの上部構造としてのイデオロギーであるということから、これだけの相違は当然出て来る。

だが事実ここでも統制は今現に行なわれようとしている。経済面における(主に農村経済を中心としてであるが)統制主義の立場を従来通り厳守出来なくなった後藤内相は、その新官僚の地盤である農村工作の代りに、今度は新官僚そのものの政治工作に眼を転じた。それが内閣審議会あるいは少なくとも調査局の計画なのである。

調査局自身は内閣の更迭とは関係のない恒常機関であるから、広義における行政専門家をここに集めることが出来るし、かつ代議士は官制上これに這入ることは出来ないから、結局なんといってもこれは官僚の溜りとなり、しかも恐らく各省官僚の総合的な溜りとなるだろう(だから内閣資源局と合併しろという説も出た)。