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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
研究所など、更に帝国学士院をはじめとして、学術研究会、日本学術振興会、啓明会、その他の団体から学術研究奨励のための寄付があったり、価値高い業績には恩賜賞、学士院賞、メンデンホール賞、東宮記念賞、朝日賞などがあるので、なにはともあれ、この国の科学研究は多少なりとも活気を呈している。
たとえば近時、異常な注目をひいて研究されだした宇宙線や元素の人工転換、人工放射能などに関する研究には大規模の装置が要るので、理研には三百万ボルト、阪大には六百万ボルトのイオン加速度装置が設けられているが、欧米諸国では既に、千万ボルトのものが設置されているのだから、少なくとも業績を先進国と同じレベルにあげるには、この国でも千万ボルト以上のものが必要な筈だ。だからその対策として、長岡博士を委員長として、「学振」の補助のもとに、理研内に欧米諸国と同等なイオン加速度装置を設けようとしている。それなどは確かに「学振」のおかげだ。かようなことからみても、長岡博士じゃないが、先進国と並んで行くには、どうしたって金が要る。だが、しかし学界は財界からの寄付だけを待っていてもいいものだろうか。