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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
お筆先によると、昭和十年には日本に一大変革が起こるぞよ、ということになるのだそうで、この予言を活かすために昭和神聖会は巨万の浄財を撒き散らして信徒を農民の内に着々と開拓しつつあるらしい、という噂なのである。
信統会と合併して大日本の愛国統一戦線党を造ろうとまでした昭和神聖会が、つまりお筆先き的存在であったということは、出口氏自身の聖者振りと同程度に日頃ユーモラスな現象であるが、尤も原始キリスト教だってそうだったのだし、それだけでなく民族的伝説や歴史の始まりなど皆そうなので、単にそのお筆先きが新しいか旧いかというだけの違いなのだが、処が皇道会という団体はよほどこの点気になったと見えて、上奏請願運動反対の声明に因んで、大本教イデオロギーを真向から取上げてムキになって非難しているのである。ムキになるだけ変だとも思うのだが、皇道会その他のハッキリしたこの態度を見て、例の新日本国民同盟は急にシッポを巻いて、改めて今度は上奏運動反対の声明をすることにしたのである。
併し、この新日本国民同盟が反対した理由は、皇道会の理由とは全く反対で、同盟の見解によると、この運動には大本教も昭和神聖会も何等の関係がないのであり、従って莫大な運動費が出ているなどは全くのデマであって、実は寧ろ資金の欠乏で運動があまり思わしくないから、この