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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
議会政治という形式がいけない、などと議会に先立って声明するような愚をなすはずはない。
広田首相が〔排撃〕しようといい放った政治的自由は、もっと、実質的な自由であって、社会における思想や言論の自由のことだったのだ。この点を国民はウッカリしてはならぬ。
議会では、広田内閣が組閣当初の革新を一向政策に表わさないといって非難する向きもあるらしい。しかし決してそんなことはない。
少なくとも自由主義排撃の声明は、三つの法案となって、ハッキリ形を現わしたではないか。曰く「不穏文書等取締法」「総動員秘密保護法」「思想犯保護観察法」がそれだ。どれも〔社会における思想や言論の自由を抑圧する〕ための法律であることは、一目瞭然である。国民はこれほど声明の実行に忠実な政府を見たことはあるまい。
不穏文書等取締法案の不評判は有名である。民政党の一部の幹部には、根本的な修正を加えた上で通過させようという肚もなかったではないようだが(事実列挙主義ならば承知するという政党? もある)、衆議院の大勢は、審議未了で握り潰す方針をとった。うっかり友人に手紙を書いたり話しをしたりすると、それが「人心を惑乱し軍秩を紊乱しまたは財界を攪乱する目的」