轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうしゅうぐんないようかいじけんとりしらべほうこく
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告
井上 円了
「東京朝日新聞」1894(明治27)年5月8、9、11、12日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,934 字 · 18 页
といえりとぞ。とかくするうちに、時すでに正午に近づけり。この日の午後には、かねてより上野原保福寺において演説をなす約あれば、急ぎてその村を辞し再び上野原に帰りて、その地の有志者に対し哲学館拡張の趣旨を演説せり。しかるに、同地の有志者はなお一日の滞留を請われ、予もまた翌日再び大目村に至りて、かの怪声を聴かんと欲したれど、二十八日には哲学館に遠足会あるはずなりしをもって、ついにその意を果たさずして帰京せり。(未完)
以上は、このたび郡内に起これる怪事の実況なるが、これよりいささか、この怪事に関する予の意見を略陳せんとす。ただし、その怪声はついに自ら聴くことを得ざりしかど、杉本、中村諸氏の談話によりて、ややその状を明らかにするを得たれば、これによりてその鑑定を下さんに、このたびの怪事の原因が、杉本氏の養女なる「とく」の一身上にあることは、今日までに四方より得たる事実ならびに考証によりて、すでに明らかに証せられたれば、今、さらにこの点につきて弁明することを要せざるべし。されば、この怪事の研究につきて帰するところの問題は、ただその女子が狐狸の類の憑付によりて、かくのごときことをなすものなりや、あるいは故意にこれをなすものなりやという点にほかならず。