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まちのてんし

町の天使

小川 未明

「赤い鳥」1926(大正15)年1月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,100 字 · 9 页

青空文庫

また、あちらの垣根のところには、からすうりが、いくつか赤くなってぶらさがっていました。ここから見ると、たいそう寒く、さびしい林の中ではあったけれど、そこにはいい知れぬおもしろいことや、楽しいことがあるとみえて、いろいろの小鳥がやってきて、枝から枝へ飛びうつっては、鳴いているのが見えるのであります。

「もう、じきに雪がくるだろう……。」と、少年は思っていました。

「戸を開けて、寒い風に当たってはいけませんよ。」と、お母さんにいわれて、少年は、また床の中にはいりました。そして、あいかわらず、家の外にすさぶ木がらしの音を聞いていました。

「早く、病気がよくなって、学校へいきたいものだな。」と、少年は思いました。けれど、それまでには、なかなかよくならなかったのであります。

お友だちは、遠慮をして遊びにきませんでした。少年は、もう長いこと、お友だちの顔を見ません。そんなことを思って、さびしがっていました。

ちょうど、そのとき、あらしの中をだれか自分を呼びにきたものがあります。

「Sちゃん、遊ぼう!」と、外で自分を呼んでいました。

はじめは、気のせいではないかと考えました。