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はつめいこぞう
発明小僧
海野 十三
「モダン日本」1934(昭和9)年1月~6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,684 字 · 20 页
牛馬の両便と都市の美観衛生問題は、これ誰しも頭痛の種である。そこで此の発明が生れたわけである。
図で見るように、ションの方は漏斗がたの受け器があって、これは牝牛の場合に、適当な個所に於て、下から受けている。
ジャアと用を達せば、この漏斗がたの中に落ち、底から出ている管を通って、タンクの中へ流れ込む。だから、美しい道路を汚すこともなく、地が掘れる心配もないというわけ。
ダイの方は、手前に出ているハンドルを、キューッと矢の方に引張ると、クランクの巧みなる運動によって、蝦のように曲った管の先についているダイの受け器が、クルリと廻って、適当なる下方に伸びて、ダイを受ける。
受けたものはコロコロと、太い管の中を転落して、タンクの中に入るから牛馬先生は、遥かに余韻嫋々たる風韻を耳にするであろう。
ハンドルが間に合わぬことを心配する人があるかも知れないが、こいつは心配いらぬ。何故なら牛馬は用達を催すときには先ず急に止るから、そのとき直ぐハンドルを引張れば、十分間に合う。
――という誠に結構な仕掛けである。かくして牛馬君は、終日おのれの産物を引いて廻ることになる。