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はくとうのうた
白塔の歌
豊島 与志雄
――近代伝説――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,450 字 · 43 页
ところで、あなた方は、どちらと連絡があるんですか。」
「連絡……そんなものはどこにもない。」
「あなた方になくても、先方からつけてくる。用心しなけりゃいけませんよ。本当の吾々の味方は、呂将軍の方にも、省政府の方にもない。」
「ではどこにあるんだい。」
黒眼鏡の青年は、鋭い視線をちらっと汪紹生に注ぎました。
「なかったら、拵えるんですね。すぐ、手近なところに出来ますよ。いや、もう出来てますよ。面白いことになりそうです。」
丁度、楊柳の並木がつきて、橋のところに出ました。黒眼鏡の青年は、突然いいました。「では、ここで失礼します。」
彼がまるで未知の間柄のように素気なく立去ってゆくのを、汪紹生はちょっと見送りましたが、ぼんやり、反対の方へ歩いてゆきました。
方福山の招宴には、さすがに吟味された料理が用意されていました。豚や家鴨や小鳥や野菜類はまあ普通として、江蘇の沼から来たもの、四川の山奥から来たもの、日本の近海から来たもの、南洋の小島から来たものなど、相次いで食卓に並びました。ただ飲物の方は、老酒に炭酸水に冷湯だけでありました。何源が適宜に立現われ、一隅に直立して、万端の指図をしました。