轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しろばなのあさがお
白花の朝顔
泉 鏡花
「週刊朝日 第二十一ノ十六号(春季特別號)」1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,880 字 · 62 页
ているのが見えました。
そッと屈んで、
「へい、こちらへ。」――
土間、桟敷、二、三階、ぎっしり一杯。成程、やっと都合がついたのだと見えて、四人詰めに、上下大島ずくめなのと、背広の服のと、しかるべき紳士が二人いましたが、これが、そのまま、腰に瓢箪でもつけていそうな、暖簾も、景気燈も、お花見気分、紅い靄が場内一面。舞台は、切組、描割で引包んだ祇園の景色。で、この間、枝ぶりを見て返ったばかりの名木の車輪桜が、影の映るまで満開です。おかしい事には、芸妓、舞妓、幇間まじり、きらびやかな取巻きで、洋服の紳士が、桜を一枝――あれは、あの枝は折らせまい、形容でしょう。――もう一人、富豪――成金らしい大島揃が、瓢箪をさげている。
一つ桟敷――東のずっと末でした――その妙に、同じような先客が、ふと気がさしたと見えて――挨拶をした時は、ふり向きもしなかったのが――お絹をこの時見返って、愕然とした様子です。……
ところで、何でも、その桜の枝と、瓢箪が、幇間の手に渡るのをきっかけに、おのおの賑やかなすて台辞で、しも手ですか、向って右へ入ると、満場ただ祇園の桜。
花咲かば告げ むといいし山寺の……