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しろへびのし
白蛇の死
海野 十三
「新青年」博文館、1929(昭和4)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,881 字 · 24 页
そして、停電は珍しくも近来に無く一時間も続いたのである。
「どうしたと言うんだ、冗談じゃ無い」
主任がついに堪りかねて、変電所へ電話で問い合せて見ようと立ち上った瞬間、電灯はサッと明るく室内へ流れた。同時にジリジリと電話のベルが鳴ったのである。それは大学の法医学教室から、お由の死因が高圧電気の感電であった事を知らせる電話であった。
主任の横顔は極度に緊張して、受話器を掛けると一刻の猶予もなく土岐技手拘引の手続きにかかったが、それを追いかけて再び電話が鳴る。それは部下が変電所から掛けた長い報告であった。
要は、今しがたの停電は二人の男が変電所の一千ヴォルトの電極に触れて感電死したことによるもので、二人共全身黒焼けとなり一見いずれが誰と識別し難いが、一人は勤務中であった技手土岐健助、一人は喜多公こと田中技手補である事に相違ない。この惨事の原因は目下調査中であるが、両人の体がからみ合っている所から推して、一方が感電したのを一方が救いに行って仆れたとも見え、或は両人の間に何か格闘があって組合ったまま感電したとも思われる節がある、との事であった。
「到頭やったか。