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しろがねのえず

白金之絵図

泉 鏡花

在线阅读泉 鏡花《白金之絵図(しろがねのえず)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,356 字 · 47 页

青空文庫

」

十二

「立って歩行く、雑談は始まる、茶をくれい、と呼ぶもあれば、鰻飯を誂えたにこの弁当は違う、と喚く。下足の札をカチカチ敲く。中には、前番のお能のロンギを、野声を放って習うもござる。

が、おのれ見よ。与五郎、鬼神相伝の秘術を見しょう。と思うのが汽車の和尚じゃ。この心を見物衆の重石に置いて、呼吸を練り、気を鍛え、やがて、件の白蔵主。

那須野ヶ原の古樹の杭に腰を掛け、三国伝来の妖狐を放って、殺生石の毒を浴せ、当番のワキ猟師、大沼善八を折伏して、さて、ここでこそと、横須賀行の和尚の姿を、それ、髣髴して、舞台に顕す……しゃ、習よ、芸よ、術よとて、胡麻の油で揚げすまいた鼠の罠に狂いかかると、わっと云うのが可笑しさを囃すので、小児は一同、声を上げて哄と笑う。華族の後室が抱いてござった狆が吠えないばかりですわ。

何と、それ狂言は、おかしいものには作したれども、この釣狐に限っては、人に笑わるべきものでない。

凄う、寂しゅう、可恐しげはさてないまでも、不気味でなければなりませぬ。何と!」

とせき込んで言ったと思うと、野雪老人は、がっくりと下駄を、腰に支いて、路傍へ膝を立てた。