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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
「王様。恐れながら王様は只今何か夢を御覧遊ばしたのでは御座いませぬか」
藍丸王は又もや言葉がよく解らないために返事が出来なかった。只何だかわからないという徴に、頭を軽く左右に振って見せた。けれども青眼爺は何だか心配で堪らぬように、じっと藍丸王の顔を見つめていた。そうして重ねて一層叮嚀な言葉で恐る恐る尋ねた。
「王様。私は今日迄王様のお守り役で御座いました。で御座いますから、今まで何事も私にお隠し遊ばした事は一ツとして御座いませんでした。私は王様を御疑い申し上げる訳では御座いませぬけれども、もしや王様は、只今御覧遊ばした夢を御忘れ遊ばしたのでは御座いませぬか。白い着物を着た悪魔の娘と一所に、私の跡をお追い遊ばして、銀杏の葉に書いた文字を御覧遊ばしたのでは御座いませぬか。屹度、屹度御覧遊ばしませぬか。もし御隠し遊ばすと王様の御身の上やこの国の行く末に容易ならぬ災いが起りまするぞ」
青眼の言葉は次第に烈しくなって来た。そしてさも恐ろしそうに王の顔を見入りながら、力を籠めて問い詰めた。
青眼がどうしてこんな事を尋ねるのか、又あの銀杏の葉に書いてあったお話が何故こんなに気にかかるのか。