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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页

青空文庫

それを本当にして終い、寝ぼけているのに違いない、

可笑しい人と皆から、お笑い草にされました。

けれども妾はどうしても、今の妾が本当か、

昔の妾が夢なのか、疑わしくてなりませぬ。

妾の今が夢ならば、あれだけ皆で笑われて、

また疑っている筈は、どう考えてもありませぬ。

昔の妾が本当なら、まだ夢を見ぬその前を、

少しも思い出す事が、出来ない筈はありませぬ。

今も昔も本当なら、又はどちらも夢ならば、

妾は居るのか居ないのか、解らぬようになりまする。

よし夢にせよ何にせよ、妾の不思議な身の上を、

よく考えて頂戴な、妾の窓の直ぐ傍に、

妾の歌の真似をする、大きな綺麗な赤鸚鵡。

怪しい夢の今朝醒めて、日が出て月は沈んでも、

鳥が木の間に歌うても、まだ眼に残る幻影は、

白い御髪に白い肌、月の御顔雲の眉、

世にも気高い御姿、乞食の王の御姿。

白い御髪を染め上げて、緑の波をうずまかせ、

金の冠差し上げて、銀の椅子に召されたら、

まだ拝まねどこの国の、尊いお方に劣るまい。

妾の大切な姉様は、はや近い内皇后の、

位に御即きなさるとか、今朝兄上が仰しゃった。

兄上様の御名前は、聞くも凜々しい紅矢様、