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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
銀杏の根本で繙いた、不思議な書物の中にある、
妾の女王の絵姿は、絵空事ではなかったか。
空には白い星の数、海には青い波の色。
棚引く雲の匂やかに、はや暁の色染めて、
東の空にほのぼのと、夢より綺麗な日の光り。
赤い鸚鵡よどうしたの、まあ恐ろしい美しい、
真赤な真赤な光明を、眩しい位輝やかし、
あれ羽ばたきをするうちに、窓から高く飛び上り、
東の空に太陽の、光りが出ると一時に、
海の面に湧き上る、金銀の波雲の波、
蹴立て蹴立てて行く末は、あと白波の沖の方、
あれあれ見えなくなりました……」
藍丸王は又もやこの歌に聞き惚れて、うっとりと眼を細くして夜の更けるのも忘れていた。
するとその中お寝みの時刻が来たと見えて、今朝の青眼老人が、六人の小供と一所に、手燭を持って這入って来たが、王が真暗な室の中に鸚鵡の籠を置いて、一心にその歌に聞き入っている様子を見ると、何故だか大層驚いた様子で、慌てて王の前に進み寄って――
「王様は飛んでもない事を遊ばします。王様はこの国の古い掟をお忘れ遊ばしましたか。『人の声を盗む者、他の姿を盗む者、他の生血を盗む者、この三つは悪魔である。