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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页

青空文庫

一ツはこの鏡を自分の居間の壁に掛けて、まわりに美事な飾りを付ける事。それからも一ツは国中に布告を出して、「今度藍丸王様がお妃を御迎え遊ばすに就ては、国中で一番の美しい利口な女を御撰みになる事になった。だから今から一週間の内に、東西南北の四ツの国の中で一番の美しい賢い娘を一人宛撰り抜いて御殿まで差し出せ。一週間目の朝、藍丸王様が御自身で御撰みになるから」という事を知らせろとの事でした。

第一の命令は、この都で第一の名高い飾職と宝石商人とが、大勢の弟子を連れて御殿へ参りまして、その日の内に仕上げてしまいました。それから第二の御布告は銅の板に書きまして、馬乗の上手な四人の兵士に渡して、四方の国々の王宮へ即座に出発させました。

藍丸王は鏡の取り付けが出来上るのを待ちかねて、直ぐに只一人、自分の室に這入って、入り口の扉の内側からピタリと掛け金をかけました。それから四方の窓をすっかりと締め切って真暗にしてしまいますと、今まで室の隅の留り木に凝然として留っていた赤鸚鵡は、忽ち真赤な光りを放って飛んで来て、王の頭の上に停まりました。そうしてその眼の光りで水底の鏡の表面を照しますと、鏡の表面は見る見る緑色に曇って来まして、間もなくその中から美紅姫の姿が朦朧と現われましたが、見ると今美紅姫は自分の室に閉じ籠もって、机の上に