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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
ましたから、それを盗んで手早く身に着けて、すっかりお婆さんに化けてしまいました。それから又あたりを見まわして、まだ誰も来ない事がわかりますと、今度は傍にあった果物の籠を抱えて、その中にいろいろの果物を拾い込んで外套の下に隠して、傍に在る金箱に手をかけようとしました。その時にどうしたものか鏡の表が急に暗くなって、何も見えなくなったと思うと、今まで身動きもせずに王の頭の上に留っていた赤鸚鵡が、何に驚いたか急にバタバタと飛び降り、机の下に隠れてしまいました。
十二 三ツの掟
藍丸王はこれを見ると、急に不機嫌な顔になって、椅子から立ち上りました――
「何だ。何だ。誰かお前の嫌いなものが、扉の外に近づいて来るのか。よしよし。お前はそこに隠れておれ。俺が追い払ってやる」
と云いながら急いで四方の窓を明け放して扉の傍へ来て――
「誰だ。そこに来ているのは」
と云いながら扉を開きました。
外には黄色い着物を着た青眼が、謹しんで敬礼をして立っていました。
「何だ。お前か。そして何の用事があってここへ来たのか。又この間の鸚鵡の時のように、鏡を乃公から奪いに来たのか。