轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社、1950(昭和25)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,491 字 · 56 页
「おう秋成、よく来て呉れた、さあどうぞ」
唐川は自分で玄関へとびだして来た。色が白くぽちゃぽちゃ肥え、顔いっぱいにあいそのいい笑いをうかべ、どうかすると揉み手もやりかねないほど腰が低く、自分ひとりで饒舌っては笑うのであった。
「江戸から帰ったというので挨拶にゆこうと思っていたんだよ、こっちへ、どうぞこっちへ、此処がいいだろう、どうか楽に、自分の居間にいるつもりでね、構わないから膝を崩して、どうぞ、どうぞ遠慮なく、そうか来て呉れたのか、こっちから顔出しをしなくちゃいけないんで、それはもう会いたくってね、秋成が帰ったという話、聞いたとたんにうれしくってね、秋成のことだからきっとすばらしい人間になったろう、なにしろ江戸は本場だし、その本場の江戸で五年もいて、秋成ほどの人物だとすれば、これはもうなにも云うことはない、男子三日相見ざれば、というくらいだが、そこはまた秋成は格別さ、現にもう御側用人じゃないか、出世も出世、ほかの者とは桁が違うからね、五段跳び十段跳び、男子が出世をするとなったら、かくありたきものだね、なにしろ昔は百足ちがいなどと云われてさ、御当人は自分を知っているから平気の平左でいる、云いたければ云え、というわけでね、しかしおれは睨んでいたね、秋成は人物が違うってね、われわれとは人間が別格なんだ、あれは