轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ひゃくめんそうやくしゃ

百面相役者

江戸川 乱歩

「写真報知」報知新聞社、1925(大正14)年7月15日、25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,801 字 · 20 页

青空文庫

、肉を吸い骨をなめ、はたくらいつくしぬ」という所などは、今でも僕の記憶に残っている。流行の言葉でいえば変態性慾だね。Rはこんな所が馬鹿にすきなのだ、今から考えると、先生自身が、その変態性慾の持主だったかも知れない。

少し話が傍路にそれたが、僕がRを訪問したのは、今いった日曜日の、丁度ひる頃だった。先生相変らず机にもたれて、何かの書物をひもどいていた。そこへ僕がはいって行くと、大変喜んで、

「ヤア、いい所へ来た。今日は一つ、是非君に見せたいものがある。そりゃ実に面白いものだ」

彼はいきなりこんなことをいうのだ。僕はまた例の珍本でも掘出したのかと思って、

「是非拝見したいものです」

と答えると、驚いたことには、先生立上って、サッサと外出の用意をし始めるのだ。そしていうには、

「外だよ。××観音までつきあい給え。君に見せたいものは、あすこにあるのだよ」

そこで、僕は、一体××観音に何があるのかと聞いて見たが、先生のくせでね、行って見れば分るといわぬばかりに、何も教えない。仕方がないので、僕はRのあとから、黙ってついて行った。

さっきもいった通り、雷でも鳴り出し相な、いやにどんよりした空模様だ。