轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
とうなん
盗難
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,371 字 · 13 页
その中に弟達が皆起き出して、面白半分に、
「泥棒が入ったんだって? どっから入ったの? 誰か見つけた?
「何故僕起さなかったんだい。泥助の奴なんかすっとばしてやるのになあ。
「いつ入ったの? 僕の本持ってっちゃわないだろうか。
などと口々に騒ぎ立てるので、家中はすっかり大騒動になって仕舞った。
私は、紺がすりの元禄袖の着物に赤い小帯をチョコンとしめたまま、若し何処か戸じまりに粗漏な所があって、其処からでも入られたとあっては、ほんとに余り気が知れていやだと思って、故意と閉めたままになって居る家中の戸じまりを見て廻った。
湯殿から水口から、どこの隅までもゆうべ鍵をかけた通りに釘がささり、棧が下りて、鼠のくぐったあとさえもない。
それに足跡もなければ、どの部屋にも紛失物がないので、何が何だか分らない様な心持になって仕舞った。私の部屋の彼那ぼろ雨戸でさえちゃんとして居て、中に一杯ちらかって居る紙屑も本も、玩具も、何一つとして位置さえ変って居ない。
「入るにしても、余程巧者な泥助だ」と思いながら彼方此方歩いて居ると、じきに三十形恰の人のよさそうな巡査が庭木戸の方から入って来た。