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しんぼうとおしょうさま
真坊と和尚さま
小川 未明
「台湾日日新報」1936(昭和11)年10月31日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,028 字 · 5 页
夏休みの間のことでありました。
がき大将の真坊は、先にたって、寺のひさしに巣をかけたすずめばちを退治にゆきました。
「いいかい、一、二、三で、みんないっしょに石を投げるのだよ、うまく命中したものが偉いのだから。」と、いいました。みんなは、目をまるくして真坊のいうことを聞いていました。
「はちが追いかけてくると、こわいな。」と、臆病な常ちゃんが、いいました。
「追いかけてきたら、竹の葉でたたき落とそうよ。」と、真坊が、いいました。
「ああ、それがいいね。」と、英ちゃんが、同意しました。
「みんなが、竹やぶへいって、竹を切ってこようや。」と、誠くんが、いいました。
「ああ、竹を切ってこよう。」
四、五人の子供たちは、寺の竹やぶへ竹を切りにゆきました。やがて、てんでに、手ごろの青々とした、葉のついている竹を切ったり、折ったりしてきました。
「さあ、これでいい。」
そういって、みんなは、往来で石を拾って、お寺の境内へ引き返してゆきました。
「だれが、号令をかけるの?」と、誠くんが、いいました。
「まあ、待ちたまえ、僕は、それはうまいから、ひとつうまくあの巣に当ててみせようか?」