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めがね

眼鏡

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,487 字 · 16 页

青空文庫

小田が、小西の家を知っているというので、ほかの二人は、ついていきました。さるすべりの咲いている家の垣根について曲がると、お湯屋がありました。その付近には、小さな商店が、かたまっていましたが、小西の家は、その中の青物屋でありました。こちらから見ると、なすや、きゅうりや、大根などが、店先にならべられて、午後の赤色をした日の光を受けていました。

小西は、もう学校から帰って、家のてつだいをしていましたが、貧しげなようすから見て、正吉は、なんだか、金を出させるのは、かわいそうな気がしました。

三人は、小西が、こちらを向いてくれるのを待っていましたが、なかなか向きそうもありませんので、

「小西くん!」と、ついに、小田が、小さな声で呼んだのであります。きこえたとみえて、小西は、じっとこちらを見ました。そして、にっこり笑うと、彼の姿は、奥へ消えて見えなくなりました。

「どうしたんだろうね。」

「いま、出てくるよ。」

こんなことを話しているところへ、小西が走ってきました。青木は、小西に向かって、

「君、半分弁償してくれない?」といいました。

「いくらなの?」と、小西は、ききました。