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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
之はいわば国防精神教育の実地演習なのであろうが、実地演習というものはそれが単なる演習であって単に教育日程の上で仮構されたものに過ぎぬということを、実習教育される当人達が知っていなくては実習にならぬ。それを本物だと思い込まれたら飛んでもない×を教えたことになるからである。処がこうした国防精神教育の実習になると、運悪くもこれを本物と思わせなければ精神上の効果を産まないのがその特色なのである。之が真似事だなどということを知られては実習にならぬというのがこの精神教育の本質だ。
寄付と云ったような物質的な行為になると、それが精神的になればなる程、即ち物質量の上の問題でなくて「精神」の問題になればなる程、その「精神」が不純になるというそうした不思議な特色を持っているのである。
現にこの献金行為は、生徒の寄付行為ばかりとは解釈出来ない、一つの教育行為なのだが、その教育行為が、教育行為それ自身として見て決してアケスケにはなれない理のあるものなので、それを反映する生徒のこの献金行動に、何か中学生の身体のような不均衡なものが見えるのだ。
この間、御徒町の巡査派出所に突然小さな洋封筒を投げ込んで行った小僧さんがある。