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しゃかいじひょう

社会時評

戸坂 潤

「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页

青空文庫

て再採用しないということにすれば、甚だ円滑に不良(?)従業員だけをピックアップして、平和に閉め出すことが出来るというわけである。

話しは変るが、東京市会が本年度の予算編成に際して、市会議員の歳費千二百円を三千円に増額お手盛りしようとした事実を、読者はここで思い出して欲しい。尤も之はいくら何でも外聞が悪いというので、その代りに市政調査費という名目で市議一人当り年八百円、更に今度は新設貯水池の着工促進に関する事務嘱託という名目で一人当り五百円、を分領することに、市議達自身で決めたという事実である、一事が万事この調子でいながら、傭人税とか倶楽部税とかまでを新設した勝手な市当局者である。或る人は、今に猫にでも税をかけねばなるまいと云っている。だから、市電の赤字は市電の従業員の責任に他ならぬと、この我儘な親達の親心は思っているに相違あるまい。それでなければ市財政全般に亘る緊縮の必要は一向顧ずに、相不変、従来通り市電従業員に全負担を転嫁するというような気にはならない筈だ。

尤も、市財政全般の窮状は主として市電の赤字に責任があることは事実で、市電は之までに約二億円の負債を稼いで来たのである。