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しゃかいじひょう
社会時評
戸坂 潤
「文藝春秋」1933(昭和8年)年6月~1937(昭和12)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,408 字 · 380 页
たしかに新八大政綱は、可もなく不可もない(?)通り一遍のものと云わざるを得ないというのが、外見上の事実だ。
だが、政府がどういう政綱を発表するかというような外見だけで、この政府の実力を推定してはならぬ。この外見からすれば恐らく気が向けば何べんでも色々な政綱を声明するようなダラシのない政府だろう。処がこういう隙だらけの発表やジェスチュアを通じて現われる政府の本質は、決してそんなダラシのないものではない。仮に林現内閣はダラシがないとしても、之に続いてバトンを受け取って走るだろう今後の諸内閣――国防六カ年計画の実施は今後の内閣の性質を客観的にそう規定するものだ――の本質には、国民の眼から見て何か淋漓たるものがあるだろうと思われる。だから案外、前政綱と新八大政綱との間には、一貫した或るものが客観的に存在するのである。この一貫した或るもの、之は実は正確に云うと例の祭政一致のことでもなければ、まして国民生活の安定其他の類でもない。夫が何であるかは、林首相などに聞くより陸軍大臣に聞くのが何より早途である――
杉山陸相は八大政綱の発表に際して新聞記者に語っている、「決定した新政策は先に自分が師団長会議、東京在郷将官懇談会で述べた国軍の総合的能力の飛躍的向上発展を期するという趣旨と全く一致せるもので、今日ではこの考えは軍民