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そぼ
祖母
楠山 正雄
「赤い鳥」1921(大正10)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,258 字 · 7 页
一雄の気分がだんだん重苦しくなって、眼の奥がしくしく痛む日がつづきました。青い眼がねで何かを見るのが、うっとうしく、じれったくって、悲しくなるほど不愉快でした。
食物(たべもの)に好(す)ききらいをいう、というよりは、あれもいや、これもいや、のべつに「いや、いや」とばかり、一雄はいいつづけていました。
「僕、何でも青くって食べても旨(うま)くないんだもの。」
「じゃあ御膳(ごぜん)の時だけ眼がねをお取り。」とおばあさんはいいました。
眼がねを取っても、しばらくはやはり何かが青く見えました。やっと白い光に慣れると、こんどは眩(まぶ)しくって、眼にしみるような劇(はげ)しい痛みを感じました。
「やはり眼がねをかけなければだめなんだよ、おばあさん。」
あんまり一雄が何も食べないので、おばあさんは心配して、瀬戸物やから小さな瀬戸物の玉子焼鍋(たまごやきなべ)を買って来ました。
このお鍋の形が大へん一雄を喜ばせました。
「これ何(なん)にするの、おばあさん。」
「玉子をやくのだよ。」
「こんなもので焼くの、おもしろいなあ。」
「これで玉子焼をこしらえてあげるが、食べるかい。