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かみサマをうんだひとびと

神サマを生んだ人々

坂口 安吾

「キング 第二九巻第一一号」1953(昭和28)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,108 字 · 27 页

青空文庫

「君だって彼女を意のままに動かしてインバイをやらせていたじゃないか」

「あれは凡夫凡婦の遣り口ですよ。彼は彼女に神サマをやらせることができるのです。その神サマを動かして難病を治すこともできます。まったくですよ。カンタンに治っちまうのが、相当数いるんですな。川野先生も、それで一コロですよ」

「川野君の病気を治したのかい?」

「いえ、あの先生の長女の寝小便を治しまして、それから次女のテンカンを治しまして、それからこッち先生自身も阿二羅大夫人を持薬に用いているようですよ。まったく人間はバカ揃いですよ。あなたがメンドーがらずに彼女を精神病院へブチこんどいてくれれば、バカの数がいくらか減ってる筈なんですがね」

安福軒はイマイマしげに呟いた。むかしは悪事を働きながらもケツをまくった風情があってシンから落着き払った様子であったが、神サマのお供にウキミをやつして悪事と縁が切れたせいか、むしろイライラと落着きがない。してみると、神サマにはよほどの威力があるもののように考えられた。

掌の放射熱

「君が安福軒のインバイ宿へ泊ったのが阿二羅教発祥の縁起だそうじゃないか。