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かみだな

神棚

豊島 与志雄

「新潮」1923(大正12)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,427 字 · 44 页

青空文庫

「警察に訴えたらどう?」と子供達を寝かしつけてきたお久が、聞きかじりの余計な口を出した。

「なあに訴えた所で、彼奴が尻尾を出すもんですか。」と池部は空嘯いたが、此度は俺の方へ向いて云い出した。「実は四五人で相談をまとめたんだが、君も一つ賛成してくれないか。こうしようというんだ。あの事件の最後の相談をするということにして、笹木を呼び出しておいて、皆で取っちめてやるのさ、もし白を切るようだったら、何時から何処にどれだけの貯金があった、誰からいくら引出した、というようなことを調べ上げてやるまでのことだ。ごまかせるものじゃねえよ。そこで皆して、彼奴が松尾から手に入れた金を捲き上げてやるか、彼奴をひっ叩いてやるか、まあどっちかだね。万一松尾と共謀でなかったとしたら、男らしく謝罪ってさ、打揃って彼奴の印刷所へはいって、一つ立派なものに育てあげようじゃねえか。そうなりゃあ、資本を下してくれる者だって見付かるかも知れねえし……。」

そこまでゆくと、俺も面白くなってきた。池部は俺が乗気なのを見て、また五十銭銀貨を取出して、酒の継ぎ足しをお久に頼んだ。そして皆でなお詳しく相談し合った。