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かみがみのびしょう

神神の微笑

芥川 竜之介

传教士在南蛮寺的春日庭园里,被乡愁和忧郁折磨,想逃离这个美丽又沉重的地方。他会做出什么选择?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,156 字 · 19 页

青空文庫

」

オルガンティノは十字を切った。が、老人はその印に、少しも恐怖を示さなかった。

「私は悪魔ではないのです。御覧なさい、この玉やこの剣を。地獄の炎に焼かれた物なら、こんなに清浄ではいない筈です。さあ、もう呪文なぞを唱えるのはおやめなさい。」

オルガンティノはやむを得ず、不愉快そうに腕組をしたまま、老人と一しょに歩き出した。

「あなたは天主教を弘めに来ていますね、――」

老人は静かに話し出した。

「それも悪い事ではないかも知れません。しかし泥烏須もこの国へ来ては、きっと最後には負けてしまいますよ。」

「泥烏須は全能の御主だから、泥烏須に、――」

オルガンティノはこう云いかけてから、ふと思いついたように、いつもこの国の信徒に対する、叮嚀な口調を使い出した。

「泥烏須に勝つものはない筈です。」

「ところが実際はあるのです。まあ、御聞きなさい。はるばるこの国へ渡って来たのは、泥烏須ばかりではありません。孔子、孟子、荘子、――そのほか支那からは哲人たちが、何人もこの国へ渡って来ました。しかも当時はこの国が、まだ生まれたばかりだったのです。支那の哲人たちは道のほかにも、呉の国の絹だの秦の国の玉だの、いろいろな物を持って来ました。