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こうせんぜんじのことども
禅堂生活
鈴木 大拙
鈴木大拙『禅堂生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:洪川禅師のことども、釈宗演師を語る、僧堂教育論、楞迦窟老大師の一年忌に当りて、鹿山庵居。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,634 字 · 57 页
若いものは何だか客気があり、俗気があり、色気があるように見えて、尊敬する気分が出ぬ。殊に近来の僧侶など、俗的勢力にこび近づかんとする容子がありありと見えすくので、嘔吐を催すのである。これが禅坊主と来ては何とも曰われぬ嫌な気がする。外の坊さんは兎に角としても、禅坊さんだけは世間を超絶して欲しい。一服の清涼剤でも嚥下するような坊さんに出遇うと、その日一日気分が清清して、俗人に接し、俗事を処するに、さっぱりとやって行ける。禅僧には学問もあってよい、弁才も亦可なりである。併し是非なくてならぬものはこの一種世間を超絶した清新の気持であると予は信ずる。
先頃鎌倉で同参の坊さんに汽車の中で出くわした。その人の話に「冷蔵庫禅」なるものの在ることを聞いた。それはこうである。冷蔵庫の中では冷やかに固く清くなって居るが、一たび庫から出すと融けて仕舞う、なまぬるくなる、一種の臭気が鼻につく。その通りに、坊さんも僧堂に居たり山寺に居たりすると如何にも禅僧らしき点があって面白いが、一たび山を下りて世間へ来ると世間の空気にかぶれてかその霊性に曇りを来す、余り俗人とかわらなくなる。