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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
福沢諭吉『福沢諭吉教育論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:学問の独立、経世の学、また講究すべし、物理学の要用、教育の目的、中津留別の書、徳育如何、学者安心論、学校の説、慶応義塾新議、慶応義塾の記、中元祝酒の記、京都学校の記、慶応義塾学生諸氏に告ぐ、成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ、政事と教育と分離すべし、読倫理教科書、小学教育の事、文明教育論。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 页
けだし人生の教育は生れて家風に教えられ、少しく長じて学校に教えられ、始めて心の体を成すは二十歳前後にあるものの如し。この二十年の間に教育の名を専にするものは、ただ学校のみにして、凡俗また、ただ学校の教育を信じて疑わざる者多しといえども、その実際は家にあるとき家風の教を第一として、長じて交わる所の朋友を第二とし、なおこれよりも広くして有力なるは社会全般の気風にして、天下武を尚ぶときは家風武を尚び、朋友武人となり学校また武ならざるをえず。文を重んずるもまた然り、芸を好むもまた然り。
ゆえに社会の気風は家人を教え朋友を教え、また学校を教うるものにして、この点より見れば天下は一場の大学校にして、諸学校の学校というも可なり。この大学校中に生々する人の心の変化進歩するの様を見るに、決して急劇なるものに非ず。たとえば我が日本にて古来、足利の末葉、戦国の世にいたるまで、文字の教育はまったく仏者の司どるところなりしが、徳川政府の初にあたりて主として林道春を採用して始めて儒を重んずるの例を示し、これより儒者の道も次第に盛にして、碩学大儒続々輩出したりといえども、全国の士人がまったく仏臭を脱して儒教の独立を得るまでは、およそ百年を費し、元禄のころより享保以下にいたりて、はじめて世相を変じたるものの如し。