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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
福沢諭吉『福沢諭吉教育論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:学問の独立、経世の学、また講究すべし、物理学の要用、教育の目的、中津留別の書、徳育如何、学者安心論、学校の説、慶応義塾新議、慶応義塾の記、中元祝酒の記、京都学校の記、慶応義塾学生諸氏に告ぐ、成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ、政事と教育と分離すべし、読倫理教科書、小学教育の事、文明教育論。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 页
その棄るところのものは、形体に属する財物か、または財にひとしき時間、心労にして、その報として得るものには、我が情を慰むるの愉快あり。すなわち形体の安楽を売りて精神の愉快を買うものなり。人生の発達、そのまったきを得て、形体の安楽にかねて精神の愉快を重んずるの日にいたり、はじめて人類至大の幸福を見るべきなり。
けだし、かの盗賊以下、他を害して身を利する者の如きは、その生の働、発達せずして、平安の主義にしたがうこと、わずかに形体の一方に止まりて、未だ精神の愉快なるものを知るにいたらず、あるいはその愉快とするところの境界はなはだ狭くして、身外の美をもっておのずから楽しむの情に乏しきもののみ。なお無智の小児が物の旨否を知りて醜美を弁せざるが如し。
教育の旨は、形体と精神と両ながらこれを導きて、その働の極度にいたらしむるにあり。ゆえに世に害他利身の輩あるは、教育の未だあまねからずして、人生の未だ発達せざるものなれども、平安の主義はおのずからその間に行われて故障を見ざるものと知るべし。
形体の安楽を知りて精神の愉快を知らざる者は、とくに盗賊以下に限らず、現今世界各国の交際においてもまた然り。