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ふくざわゆきち
福沢諭吉
高山 毅
ペンは剣よりも強し
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,555 字 · 109 页
女の子でどうしてわるいか
女の子でどうしてわるいか
「ああ、また、しょうじをやぶったな。なかなか元気があって、見こみがあるぞ。」
「まあ、元気があってよいなんておっしゃって。女の子ですから、もうすこし、おとなしくしてくれるといいんですが……。」
「いやいや、女の子だって、元気があるほうがいいよ。」
諭吉は、自分のむすめが、しょうじをやぶるのをながめながら、おくさんと、こんな話をかわしながら、よろこんでいました。ふつうのうちのお父さんだったら、子どもがしょうじをやぶったり、いたずらをしたりしたら、たいていは大きな声でしかるものですが、諭吉はちがっていました。
明治十六(一八八三)年、諭吉は五十さいになっていましたが、この年の夏、四男の大四郎が生まれたので、諭吉は四男五女、あわせて九人という、おおぜいの子だからにめぐまれました。その子どもたちを、わけへだてなく、かわいがったのはいうまでもありません。
子どもたちは自由でかっぱつであったほうがいい、と諭吉はかんがえていましたから、おくさんともよくはなしあったうえ、きるものはそまつにしても、えいようだけはじゅうぶんにとらせるように気をつけました。