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わたしのかんそう
私の感想
宮本 百合子
「信濃毎日新聞」(三「代用食」)1940(昭和15)年11月18日号、「都新聞」(四「恩給と未亡人」)1935(昭和10)年5月7日号、「信濃毎日新聞」(五「女を殴る」)1940(昭和15)年11月27日号、「相模合同新聞」(七「子供と家庭」)1941(昭和16)年3月8日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,800 字 · 10 页
母心の叡智も個人的なものからよりひろいものに向けられる実践力となる必要がある。
七 子供と家庭
お米のありがたさがいよいよ切実に身にしみて来た。きのう北海道から知り合いのお婆さんが上京して来ていろいろ話の末、お米のことになったら、わしらと子供は一日一合八勺ですといかにも淋しそうな表情で語った。その地方では六十歳以上と子供とは一日一合八勺ときめられているのだそうだ。近所にやはり六十を越したひとりもののお婆さんがあって、その年よりは他家の使い歩きをしたり、物を運んだり、山へ行ってきのこをとって売ったりして、ひとりの生計を立てている。六十を越したからといって一合八勺の米ではその日がしのげないので、どうか一人並に増すように願って下されということをその婆さんの家へたのんで来た。お婆さんは娘婿の家にいて、そこが隣組長をしているのであった。その計らいができて、きのことりのお婆さんは三合五勺を貰えることになった。お婆さんは手を合わせてよろこび、そのお礼にといろいろのきのこをこの秋はもって来てくれたそうだ。きのこを貰う側のお婆さんの婿がなまじ隣組の長をしていることは何と気の毒だろう。