轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川英治『私本太平記(四)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私本太平記、私本太平記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,324 字 · 458 页
不壊金剛
中には、九州、四国、中国などの武門もだいぶおりますから」
「それらは、留守の国元を案じ出して、気が気でなく、みな何らかの口実をもうけて、自国へ急ぐに相違ない。……が、正季」
「はっ」
「とばかり楽観してもおられまいぞ。いよいよ、一城の死力はしぼりつくされるだろう。また最後の決戦もいなみようなくされるだろう。よいな覚悟は」
兄の口から“決戦”という語を聞いたのは初めてである。正季は体の中を何かに吹き抜けられる気がした。
不壊金剛
寄手がたの各陣所は、どこも狭隘な足場に立ってごッた返しの状だった。平地といっては、ところどころに、手のひらほどしかない山腹に、すくなくとも三万からの兵が長陣に倦みながら、食って寝て糞して戦っていたのである。人いきれ、馬いきれ、世間のどんな所よりもきたなかった。どの顔も目ばかりぎょろつかせ、各自の尾骨が、ふたたび人間の原始を発達させてきたようにみえる。そしてその持場持場を全山にわたる旗と陣幕とで区切りあっていた。
「ならんッ」
いくさ奉行の長崎悪四郎ノ尉高真は、おもてに朱をそそいで、どこかの使番の武士へ、どなりつけていた。
「病なら、陣にいて癒せ。