轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かがくとぶんか
科学と文化
中谷 宇吉郎
「文学界」1937(昭和12)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,859 字 · 8 页
その菫もどんな貧弱な花でもつけているのはまだよい方で、中には菫か雀の稗か分らぬようなものもある。もっともそれは読む方が悪いので、もっと教養を積んだらあのような論文が皆分るようになるのかも知れないが、そんなサンスクリットで書いた論文のように極少数の人にしか分らないものは、どんな卓説でもちょっと困るのである。
次に言葉はそれほど難しくなくても、むやみと最近の物理学の尖端の問題、量子力学や原子論の結果を引用したものもちょっと始末が悪いのである。原子の世界での因果律の否定の問題とか、ハイゼンベルクの不確定原理とかいうものを「基礎」として色々の議論をしてあるものは、物理を職業としているわれわれでも専門が異るために、これらの高遠な理論の本当の意味を解しかねているので、従ってそれを基礎とした議論の当否などは何とも批評が出来ないのである。卒直にいうと、これらの理論は眼新しくて、また非常に高遠に見えるので、余りよくは分らないが結論だけは間違いないだろうから、その結論の上に立って自分の議論を進めようという気持のようにも思われる。もしそれだったら科学というものの意味が本当に分っていないのではないかと危ぶまれる。