轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かがくにこころざすひとへ

科学に志す人へ

寺田 寅彦

「帝国大学新聞」1934(昭和9)年4月30日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,605 字 · 8 页

青空文庫

誰であったか西洋の大家の言ったように、「問題をつかまえ、そうしてその鍵をつかむのは年の若いときの仕事である。年を取ってからはただその問題を守り立て、仕上げをかけるばかりだ」というのは、どうも多くの場合に本当らしい。それで誰でも、年の若い学生時代から何でも彼でも沢山に遠慮なく惜気なく「問題の仕入れ」をしておく方がよくはないかという気がする。それにははじめからあまり一つの問題にのみ執着して他の事に盲目になるのも考えものではないかと思うのである。

抽象的な議論よりも、まず一番手近な自分自身の経験を語る方が学生諸君のために、却って参考になるかもしれないと思って、同僚先輩には大いに笑われるつもりでこんなことを書いてしまった。しかし、この個人的な経験はおそらく一般的には応用が利かないであろうし、ましてや、科学の神殿を守る祭祀の司になろうと志す人、また科学の階段を登って栄達と権勢の花の山に遊ぼうと望む人達にはあまり参考になりそうに思われないのである。ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児」