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かがくひはんのかだい

科学批判の課題

三木 清

「新興科学の旗のもとに」新興科学社、1928(昭和3)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,229 字 · 40 页

青空文庫

ところでこの理念における最も特性的なるものは、学問が純粋に観想的本質のものと考えられたことに関係する。このことを理解するのは容易である。すでに我々はその規定のひとつに学問が実用とは没交渉であるといわれているのを知っている。したがってそれは何ら実践とはかかわりなきものである。ひとは、アリストテレスの言葉を用いれば、「それ自身のためにそして知るために求められた知識」をのみ特に学問と呼ぶ。学問は他の結果のためのものでなく、まさに学問のための学問である。そこでは理論と実践との間の完全な分離が行なわれている。さらに他のひとつの規定、学問は普遍的なるものの知識であるということをとってみても同様である。ここにいう普遍的なるものとは自然科学の一般的法則というがごときものではなくて、かのε※δο※(ギリシア小文字ファイナルSIGMA、1-6-57)すなわち観る者にとって事物が現われるところの形相である。ε※δο※(ギリシア小文字ファイナルSIGMA、1-6-57)の語は、※δ※(鋭アクセント付きε、1-11-49)αの語と同じく、ギリシアの哲学者にとって事物の本質を意味したが、ともに id(vid-)――ラテン語の videre ――に由来して観るということと関係があり、そしてε※δ※(鋭アクセント付きε、1-11-49