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かがくひはんのかだい
科学批判の課題
三木 清
「新興科学の旗のもとに」新興科学社、1928(昭和3)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,229 字 · 40 页
三
* 自然科学のかくのごとき性質については、Max Scheler. Die Wissensformen und die Gesellschaft. の中に参考となることが多く含まれている。もとより私はシェラーの『知識社会学』(Wissenssoziologie)の諸根本命題に疑いを挟む者であって、それに関しては近く詳細に論議したいと思う。なおシェラーの思想に関するドイツ社会学者たちの討論は、Verhandlungen des Vierten Deutschen Soziologentages. 1924. の中に載せてある。
しかしながらかくのごとき学問理念の変革は決して偶然に行なわれたのではないのである。それはまさに新興社会の生活態度のイデオロギーにおける反映にほかならない。我々はここに新しい階級、すなわち近代のブルジョアジーの擡頭しつつあったことを考えねばならぬ。新興の自然科学は封建的僧侶的社会の享受的観想的構成を次第に推し退けつつあったところの新興の市民階級の生産的実践的本質の表現にほかならなかったのである。
三
さて現代において最も重要な役割を演じつつある社会科学、すなわちマルクス主義の学問は、我々の見るところではまたひとつの新しい学問理念の変革を成就しつつある。