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かがくろん
科学論
戸坂 潤
「唯物論全書 第一巻」三笠書房、1935(昭和10)年10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 页
さて右に述べたような生産力の技術性は、まず第一に自然科学に対して極めて特有な関係を有っている。と云うのは、生産力の技術性から直接発生するものは技術的知識(技能と知能)であり*、之はやがて技術学的(農学的・工学的・工芸学的・又医学的)知識なのであるが、自然科学は恰もこの技術学的要求と条件とに従って、歴史的に発生し、促進され、その課題の統制を得る、というのが、根本的な事実だからである。今更云うまでもないことであるが、自然科学は何かそれ自身の学問のイデーとか理想とかを追うことによって、発生したり発達したりするのではない。そうした科学的理念や真理の愛こそが、却って自然科学的意識の発達(ルネサンス以来特に著しい処の)の結果であって、この意識を産んだものは技術学的条件と要求とによって社会的に展開の必然性を受け取った限りの自然科学だったのである。自然科学の発達の結果が、技術学のより以上の発達の条件となり、従って生産力の技術性を発達させ、従って又社会に於ける生産技術水準を高める原因になるということは、勿論だが、自然科学がそういう程度にまで発達し得たということ自身が(今直接関係のない他の因子を除いて考えれば)、技術学的な条件と要求とに基いてのことであり、従って又生産力自身の技術的な条件と要求とに基いてのことである**。