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くうしゅうかのにほん

空襲下の日本

海野 十三

「日ノ出 付録 國難來る! 日本はどうなるか」1933(昭和8)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,527 字 · 30 页

青空文庫

「隊長どの、警報電話であります」

「警報かッ」中尉は鸚鵡がえしに叫んだ。

「大宮聴音隊発警報」

「ウム」

「本隊は午前三時十五分に於いて、北より西に向いて水平角七十二度、仰角八十度の方向に、敵機と認めらるる爆音を聴取せり。終り」

「御苦労」

伝令はバタバタと駈けて向うへ行った。

聴音機は殆んど頭上を指しているわけだから、聴音機の利く距離を二十キロとして、敵機はずいぶんの高度をとって飛んでいるものらしい。

するとまた直ぐに、別の伝令が靴音も高く飛んできた。

「隊長どの、警報電話であります」

「うむ」

「大宮聴音隊発警報、本隊は午前三時二十分において、北より西に向いて水平角六十九度、仰角八十度の方向に、敵機と認めらるる爆音を聴取せり。終り」

「うむ、御苦労」

計算器を合わせていたM曹長は、顔をあげて叫んだ。

「隊長どの、唯今の報告に基き計算致しますと、敵機の進行方向は東南東であります」

その声の終るか終らぬうちに、浦和の聴音隊からの警報がやって来た。M曹長は図盤の上にひろげた地図に、刻々の報告から割りだした、敵機の進路を赤鉛筆でしるしていった。

「高射砲兵員、配置につけッ」