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くうしゅうかのにほん
空襲下の日本
海野 十三
「日ノ出 付録 國難來る! 日本はどうなるか」1933(昭和8)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,527 字 · 30 页
K隊長は緊張に赭らんだ頬に、頤紐をかけた。
飛行機の上昇限度と高射砲の偉力の図
兵員は、急速に高射砲列の側に整列した。命令一下、高射砲は一斉にグルリと旋回して砲口を真北にむきかえた。
真近い道灌山の聴音隊からも、ただいま敵機の爆音が入ったとしらせてきた。敵機は折からの闇夜を利用しいつの間にか防空監視哨の警戒線を突破し、秩父山脈を越えて侵入してきたものらしい。立川飛行連隊の戦闘機隊はすでに出動している筈だった。
「オイ、候補生。来襲した敵機というのはどこの飛行機だか、わかるかネ」K隊長は、綽々たる余裕を示して候補生をからかった。
「はッ、アラスカの米国極東飛行隊でもないですし、アクロン、メーコン号にしては時刻がすこし喰いちがっています。中国からの襲撃でないことは、近畿以西の情報がないですから……」
「で、何処からだというのか」
「勿論、西比利亜地方からです。ハバロフスク附近を午後八時に出発してやって来たとすると、方向も進路も、従って時刻も勘定が合います」
「ふうん。候補生だけあって、戦略の方は相当なものじゃネ」
隊長は、わが意を得たという風に微笑した。
「隊長どの、敵機の高度を判定しました。