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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
「朝日」1932(昭和7)年5月~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 页
兎に角、それは、三千年の昔より、神国日本に、しばしば現れたる天佑の一つであった。
「帆村君は、もう一つ、大きな秘密を、探ぐり出したのです」中佐は、夢から醒めたように、語をついだ。
司令官は、静かに、喘いだ。
「それは、G・P・Uが、次に計画しつつあるところの陰謀であったのです。だが、鬼川自身も、こっちの方については、あまり詳しいことを知っていなかったのです。唯、戸波博士の研究所が覗われていること、研究所襲撃の手段として、坑道を掘り、地下から、爆破しようという計画のあるのを、知ることが出来たのです。帆村君は、思う仔細があって、今朝、紅子と手を取って、勇敢にも、大混乱の市内へ、飛び出して行ったのです。正午近くになって、わたくし達の、偵察機が、神田上空を通るとき、運よく、帆村君の、反射鏡信号を、発見したというわけです」
中佐は、語り終って、額の汗を、拭った。
「帆村君」司令官は、厳粛な態度のうちに、感激を見せて、名探偵の名を呼んだ。「いろいろと、御苦労じゃった。なお、これからも、お骨折りを、願いまするぞ」
「はいッ。愛する日本のためであれば、ウーンと、頑張りますよ」