轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

「朝日」1932(昭和7)年5月~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 页

青空文庫

と、背の高い、その電柱の天頂まで、人技とは思われぬ速さで、攀っていった。

そこは、帝都のあっちこっちを見下ろすに、可也いい場所だった。眺めると、帝都の彼方此方には、三四ヶ所の火の手が上っていた。

次の爆弾が、空から投げ落とされる度に、物凄い火柱が立って、それは軈て、夥しい真白な煙となって、空中に奔騰している有様が、夜目にもハッキリと見えた。そして、その次に、浮び出す景色は、嘗て関東大震災で経験したところの火焔の幕が、見る見るうちに、四方へ拡がってゆくのであった。

弦三は、地響きのために、いまにも振り落されそうになる吾が身を、電柱の上に、しっかり支えている裡に、やっと正気に還ったようであった。

彼は、こわごわ、電柱を下りた。

地上に降り立ってみると、そこには又、先刻と違った光景が展開しているのだった。

どこで、やられて来たものか、呻き苦しんでいる負傷者が、ガードの下に、十五六人も寝かされていた。

「ヒューッ」どこからともなく、警笛が鳴った。

「毒瓦斯だ、毒瓦斯だッ!」

「瓦斯がきましたよ、逃げて下さい」

「風上へ逃げてください。皆さん、××町の方を廻って××町へ出て下さい」