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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页
しかし、世界第一を誇るS国の大空軍を果していつまでも、完全に食いとめられるものであろうか、どうか。
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東部防衛司令部
東部防衛司令部は、防空令がくだされると、直ちに麹町区某町にある地下街にうつった。
それは空中からどんな爆撃を受けても、完全に職務をなしとげられるような十分安心のできる場所であった。そこには近代科学のあらゆる粋をあつめて作った通信設備や発電機や弾薬や食糧や戦闘用兵器などがそろっていた。
その日の午前中に、各地からの知らせが集ってきた。東部防衛司令官香取中将は作戦室の正面に厳然と席をしめ、鹿島参謀長以下、幕僚を大卓子のまわりにグルリと集め、秘策をねっていた。
「……さような次第でありますから……」
と参謀長は報告書を見ながらいった。
「昨夜、S国の空軍が行いました第一回の夜間空襲は、主として○○海沿岸の都市に相当の恐怖と被害とを与えましたようでありますが、遠征してまいった敵の超重爆撃機は、一機をのぞきましてことごとくわが高射砲のために射落されました。その損害は、そうとう大なるものであります」
香取将軍は大きくうなずいた。
「しかるに、S国はその痛手には一向参る様子もなく、チ市にあらかじめ待機させてあった超重爆撃機七十機を、○○○○の北方ス市に移しました。