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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
「少年倶楽部」別冊付録、大日本雄弁会講談社、1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 页
「なんだ、これァ……防護団の少年と、靴屋さんじゃないか」
「そうだよ、靴屋だよ……」
「まてまて、これァどうしたのだ」
そこで、靴屋のおじさんと少年たちとの言分をじっと聞いていた鍛冶屋軍曹は、やがて、強い感動をあらわしていった。
「よくわかったぞ。……少年たちは任務に忠実で、実に感心したぞ。それから靴屋のおじさんもこの非常時におちついて仕事をはげんでいるのには感心した」
「でも、あかりを消さないから、非国民だい」
「これこれ、もうすこし黙っていなさい。……そこで少年たちよ。今後、帝都が空襲されることは、たびたびあろうと思う。空襲警報もたびたびでて、何時間も非常管制がつづくことだろう。ところがいまは平時とちがって、戦争中だ。戦争は軍人だけでは出来ない。沢山の品物が入用だ。国民は、平時よりも仕事が忙しくなる。すこしでも仕事を休むことは国家の損なのだ。非常管制のたびに、全国の工場が仕事を休むとしたら、戦争に使う品物の製造は間に合うだろうか」
「……」
少年は皆、黙っている。
「品物が間に合わんと困る。いま、お前たちのゴム靴に穴があいていたとしよう。直しにやったが、非常管制で穴を直すことができなかったらどうだろう。