轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうてい

童貞

夢野 久作

「新青年 第11巻第10号」1930(昭和5)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,572 字 · 27 页

青空文庫

それをジット見ているうちに刹那的に……「嘘を言ってはならぬ」……という気持ちになったので、頭をあげ得ないまま片手を擡げて、今曲って来た横町を指さそうとしたが、その時に、急に胸先がビリビリと痛くなって、全身の血がカーッと顔に上って来るのを感じた。思いもかけず鼻の中がブーンと腥くなって、眼の前にズウ――と暗いものが降りると、吾れ知らず土の上に這いついた。小刻みに息をしながらガバガバと真赤な血を吐いた。

その血は乾いた土ホコリに吸い込まれて見る見るうちに黒ずんで行った。その血の表面に反射する強烈な日光も、シミジミと土の中に沈んで行った。それを眼の前に見ながら昂作は、なおも新しい血を吐くべく、死力を竭して胸を押し曲げた。

「アッ……イカンイカン……行路病人だ……こりゃあ……」

とうろたえながら刑事らしい男は立ち上った。

「ウアー。肺病だ肺病だ」

「何だ何だ。行き倒れか」

「日射病じゃないか」

「寄るな寄るな。伝染するぞ」

と口々に言い罵りながら、周囲も群集もわめいた。

「……君……チョットそこいらから水を貰って来てくれんか。……そうしてこ奴をもっと片わきへ寄せて、何でもええから上に冠せて置いてくれ給え。