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たけのさとびと

竹乃里人

伊藤 左千夫

竹乃里人「馬醉木 第六號」根岸短歌会、1903(明治36)年11月13日<br>竹乃里人「馬醉木 第八號」根岸短歌会、1904(明治37)年2月2日<br>竹の里人「馬醉木 第十一號」根岸短歌会、1904(明治37)年5月5日<br>竹乃里人「馬醉木 第十二號」根岸短歌会、1904(明治37)年7月15日<br>竹の里人「馬醉木 第十三號」根岸短歌会、1904(明治37)年8月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,338 字 · 29 页

青空文庫

訳ですが、演劇も小説も熱心に見たというではありませんけれど、ともに面白く思って居りまして、小説なぞは読みかけると夜の明けるも知ずに読んだこともありますが、実を申すとごく浅薄な趣味で面白いので、いわばただ筋書許りを面白く感じますのです、つまりお伽的に面白みを感ずるのでありました、それで少し文学的とか詩的とか真面目な意味から視ると、いつでも不自然殊更作りものというような感がすぐ起ってくるのです、今の大家という人々の小説でも文章は甘いが、趣味という点にはどうしても、不自然な殊更な感じを起さぬことはありません、演劇は見たほど見ませんが、古いことですが明治座で左団次の曾我を見た時などは実に馬鹿らしくて堪りませんでした、団十郎は未だ見ないくらいですから演劇の話などは無理でありますけれど、左団次の五郎といっては名高いのだそうでありますのに、その曾我五郎の左団次が捕縛されるところなどは、まるで人形の転がるようでとても真面目な趣味感が起るものでありゃしません、人を斬るとか自殺するとか、捕縛されるとか、人間の激情無上なるきわどいところなどが、どうして不自然な殊更なママ事らしき感の起らぬ