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はんちゅうとしてのくうかんについて
範疇としての空間に就いて
戸坂 潤
――之は一つの習作である――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,453 字 · 89 页
併しそうしても物は更に「何処」かになければならぬ。何処かにあるということも明らかに一つの存在の仕方でなくてはならない。今此処にあった物が無くなったとする、そうしても物は無くなったとは限らない、存在しなくなったとは限らない。物は今や彼処にあるかも知れない。所謂「場所による変化」――運動が之である。かくて存在は物としてあるばかりではなく、更に場所を占めてあらねばならぬ。場所に於てなければならぬ。物としてある――それは「こと」ではない――というのは場所に於てあること以外の何ものでもないのである。処が場所とは何か。アリストテレスの「何処」という範疇は他のもの即ち「此処」「彼処」等への関係によるのでなければならない。それは一定の位置――位置(Lage)という範疇を云うのではない――である。場処は関係を含まざるを得ない。場処とは、場処に於てある、という関係である。それは空間関係である。処で何人も物が特殊の空間関係であるということを認めなければならない。それ故空間関係一般が特殊――それが物であった――に対する一般であるということに来なければならぬ。今や物と空間関係とが並べられたであろう。