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はんちゅうとしてのくうかんについて

範疇としての空間に就いて

戸坂 潤

――之は一つの習作である――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,453 字 · 89 页

青空文庫

即ち空間の直観は他の外的直観とは異ってそれの制約となるものでなければならない。この意味に於て私はカントの言葉を借りて之を純粋直観と呼ぶのが適切であると思う。このような純粋直観なくしては普通感覚と呼ばれている或る特殊の内容(Qualit※(ダイエレシス付きA小文字)t)が空間の内にあるという事情はなり立たない。故に空間がなければ特殊の Qualit※(ダイエレシス付きA小文字)t――それは例えば色というような感覚又は知覚を意味する――はないという言葉は許される。処がこの言葉は次のことを含んでいる。即ち、空間という直観と例えば色という感覚としての Qualit※(ダイエレシス付きA小文字)t とは別であると。この区別を承認したとして向の言葉は次の二つの異なった結論を導くかのように見える。空間とこの内容とは必ず常に結び付いている筈であり従って第三者に於て両者が成り立つのであるという結論か、それともそうではなくして空間に於てこの内容が成り立つのであって第三者はその場合必要がないという結論か、の二つ。前の場合であるならば、単に空間がなければこの内容がないばかりではなく、又この内容がなければ空間もないこととなる。