轻松读懂日语经典作品
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つきじがし
築地河岸
宮本 百合子
「新女苑」1937(昭和12)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,825 字 · 16 页
「どういうことにしますかね、さっきの話は――」
小柄な道子の額のあたりへ視線を向けた。
「さあ、何しろ五年の間まるっきり別々な生活でやって来ているのですものね」
「だからなお今がいい機会とも云える」
「啓さんがおれば私何も心配はないと思うんです、お年よりがいらしったって。二人で今までより働いて、女中さんおけばいいんだから。今は、私一人でかつかつなんですもの」
「あっちは経済的にあんたの心配を受ける必要はいらんだろう」
道子は、不図思いついて少し皮肉に、
「じゃいっそお義兄さんのとこへおよびになったら?」
と云った。
「御長男でいらっしゃるし生活は立派に確立していらっしゃるし、一番よろしいわ」
「そりゃ駄目だ」
狼狽を語調に出して信一は早口に拒んだ。
「そりゃまずい。どだい、うちの奴とおっかさんとがうまく行くもんじゃない。両方を知っているからはっきり僕にゃわかっている――絶対駄目だよ」
「私とはうまく行くってわかっていらっしゃるんでしょうか」
ふーむと煙草の烟を目で追うようにしながら、
「君と親父とはどうかしらんが、母親とはまあうまく行くだろう。女同士が円滑なら家の内は丸く納ってゆくもんさ」